建築士会の講座、2回目の報告をすっかり忘れたまんま、最終回3回目を迎えました。
早朝の現場立会いを終え、会場に駆けつける。
本来午後からの講義を、野池先生の計らいで午前中に前回の補講をしていただけることに。
「外皮計算」の仕方を、計算ソフトを使ってきっちりと、みっちりと。

住宅性能表示などの申請に使う目的の外皮計算って、実態にそぐわないところがあってなんだかなぁと毛嫌いしていたのですが、今回の講座では「実際どうなの?」っていう目的で外皮計算をしようというもの。
なので、申請には加味されないような細かなところも入力する。
窓ガラスの種類はもちろん、色も、窓の種類(開き勝手)も。
すだれや外付けブラインドはもちろん、障子やレースのカーテンの有無も。
日本列島を大まかにぶった切った断熱の地域区分だけでなく、気象庁の観測データも活用する。
外気温の変化、晴れが一年でどのぐらいあるのかないのか、風はどっちからよく吹くのか…。
メーカーが出している「熱還流率」や「日射熱取得率」の数値を記載した、老眼には辛い細かくて小さな数字を拾い出すのにはちょっとうんざりするけれど
地域の気象情報を読み解く作業はおもしろい。
「北海道と比べて関西の断熱はなってな~い!」(ドイツに比べて日本は遅れている!)
的に聞こえてしまう昨今の温熱談義。
それに対して、「いや、だって北海道より温いもん。」ではいけないんだけれども
目指すところがそこではないんじゃないか?とは思うわけで。
そんなもやもやを、野池先生の講義は払しょくしてくれる。
 冬のぽかぽかは、南の窓から取り入れたらええやん。
 その温さって、ストーブ3台分やで。
これは、秋田さんのプランナー研修でいう「リビングの南をできるだけ開ける(南の建物から距離を取る)」に通じている。
 夏の日射はちゃんとカットしたろ。
これは、軒を出したり方位をしっかりと意識する、これまたプランナー研修でも大事なとこ。
 「全方位換気、できてるか?」
 「軒の出、出過ぎてないか?」
 「窓は方位によって使い分けできてるか?」
この辺、うちの設計ではもう10何年も前から言い続けてる「光と風」と一緒。
セミナー形式でお伝えしたりもしてること。
きちんと計算したら、断熱や窓の性能に無駄にお金をかけ過ぎなくて済む。
もちろん、自然の力を最大限に生かせるプランであってのこと。
だから、その土地の気候を知って、大きな地形や細かな敷地状況も読んで
太陽の動きと風の流れをわかってプランする。
これは、プランニングに力を入れてるうちこそやるべきことやん!

建築って、立地の影響をもろに受けるから、同じ作り方、同じ性能で建ててもその効果は違うんですよね。
そこまで住まい手さんには伝わってるのかな?
スペックだけを比較して会社選びをする人に、ちょっと待ってと言いたいなぁ。
「本当にそこまで必要ですか?」とは言ってきたけれど
これからは「この敷地にこのプランなら、この仕様で大丈夫ですよ。」
そう言える。
まぁ、無添加住宅の場合、計算に乗せようのない
「もっと涼しくなる」「もっと明るくなる」「もっと心地よくなる」
プラスαがいっぱいあるんですけど。
そこは、住んでみて感じる部分、としか言いようがないかも…。
さて、ぎゅぎゅぎゅっとインプットしてきたことをアウトプットできるように
ちょっとずつでもまとめていきますねー。

まずは、とりとめもない報告で失礼いたしました。

パッシブデザインのイメージ

細かすぎる自己適合証明書